一般的に流通している化粧用木材とは

オーダー木材ITOKI、店長伊藤でございます。
9月に入りました。日中はまだまだ暑いですが、時折、吹く涼しい風を感じることができ、気候の変化を感じています。

さて、題名ごとく、現在、一般的に流通している木材について、造作材用の化粧材を中心にブログっていきたいと思います。
建築用途で使用される無垢化粧造作材は、サッシ枠、建具枠、巾木、フローリング、羽目板等が一般的ですが、この用途の中で、オーダー性が高いものはサッシ枠、建具枠、巾木だと思います。

無垢フローリングや羽目板は、どちらかというと既製品にて国内、海外問わず製造されるケースが多いので、この材種に対してオーダーで製造することは少ないと思うので、あらかた原料である木材である製材品を調達するパターンは少ないです。

しかし、先のサッシ枠、建具枠、巾木は、使われるフローリング材の取り合いや、内装のイメージによって変更するため、ある程度、材料を選択できないと設計プランニングできないと思います。
製材品としてこれらの用途で利用される木材は、もちろん乾燥材(KD材)である必要があるのでそんな一般的に普及している木材を紹介します。

やはり米栂材、圧倒的に流通品

これらの用途で使われる木材は、針葉樹が多く、
外材ならば、米栂、ピーラー(米松)、レッドシダー(米杉)、米ヒバ、
国産材ならば、桧、杉といった所でしょうか。

外材では基本的には柾目取りに対して国産材は、板目取りとなります。どうしても大径木が多い外材に比べ、国産の杉や桧は、丸太径がそれほど大きくないので、どうしても板目の材が主流になります。
板目、柾目とも一長一短ありますが、板目ですといわゆる『カップ反り』を起こしやすく、柾目だと『弓反り』を起こしやすい短所があります。
使う用途によってですが、昔から無垢の建具材が柾目で使用されているのは、建具ができるだけ反り難く、支障が起きない柾目が利用されています。
また、一般的に柾目材が高級材となるのは、歩留まりが悪くなるためコストが上がってしまうからです。
(当社基準において板目製材が歩留まり50%くらいだとすると柾目製材はその半分の25%くらいになるデータがあります。)

そんな訳でどうしても造作材の主流となる材種は、外材針葉樹となってきます。
また針葉樹ばかりで広葉樹はないのか?というとそうでもなく、
代表的な樹種でいうとタモ、ホワイトオーク、ホワイトアッシュぐらいが一般的な造作材に利用される種類となります。

コスト的には広葉樹>針葉樹で
広葉樹では、ホワイトオーク>タモ>ホワイトアッシュ
針葉樹では、ピーラー≒レッドシダー≒米ヒバ>米栂
といった感じです。
国産材の杉や桧は材料が大きくなったり長くなったりすると極端に高くなるので
一概には判断できません。
仕上げに関しても、よくあるサイズをもとにチョイスしなければ、特注品になり、
コストが高くなり、納期も長くなります。
原板サイズは長さ4mくらいまでで、巾は20cmくらいのものなら、一枚板でいけますが、それ以上のものになると、巾ハギいなければ手配は難しくなります。
厚みに関しては、24,30,36,45mmという原板が多いので、
その厚みより、最低でも5mmの削り代がないと仕上げることは難しくなります。
ですので仕上げの厚みが45mmを越えるものに関しては、オーダー品となるので納期、コストとも高くなるのが一般的です。
原材料に何が流通しているか把握して設計しないと必ず、無理が出ます。
特に、納期のない現場ですと、納期を間に合わせるため、規格品にないような寸法を当てはめると、無理が生じ、特に無垢の木材で
後々、クレームとなることが多い問題は、乾燥不十分による割れや、木痩せでおこる隙間などです。
施工前の見た目は、変わらずとも施工後、引渡し後に大きな問題を生じ、手直しなどでコストだけでなく、信用も失うことになるので、特に特注サイズを扱う場合は、前もっての準備が必要となります。

そんなわけで、特注サイズがいけないわけではなく、特注サイズでも納期があれば、(サイズの限度はありますが)ある程度、注文を受けることも可能です。ですが、この納期がキーポイント、丸太そのものがないことや、製材した材料を乾燥させるまでの期間が必要になり、
スムーズにいったとしても最低でも1ヶ月は必要ではないでしょうか?
ですが、まずそんな納期は現場的には受け入れないと思うので、
まとめますと、あまり特注サイズや特殊な材料を仕様するのは、やめた方が無難ということになります。

 

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